蒼とより近づけて、浮き足立っていた僕は、
その後の授業も身に入らないまま放課後になってしまった。

「じゃーな朔、また明日!」

「うん、ばいばい。」

流星と別れた僕は、カンナさんがいつも迎えに来てくれる、校門の角になっている所に立った。

遅いな、いつもならすぐに来てくれるのに。

みんなが下校する中、自分だけ突っ立っているのは気恥ずかしかったため、少し歩くことにした。

この辺は歩いたことがないため、見慣れない景色が広がっていた。
そして導かれるようにある路地にでると、生徒の姿は全く見え無くなってしまった。


おかしいな、みんなどこから帰っているんだろう。ここだけ人通りが少なすぎる。