同じ空の下で

「ふーん…。
俺の知っているやつ?」

「そう…だよ…。」

ていうか、君だし…。

あー、もう!

言ってしまいたい。

“好きだよ”って。

でも、言ったら絶対に困らせる。

そんなの嫌だから言わない。

ギュッ

涼太の手を握る力が強まる。

「変なやつだったら認めないから。」

え…?

なに…それ…。

なんでそんなこと言うの…?

余計期待しちゃうじゃん、バカ…。



それから電車を降りて家に到着するまで、

手を繋いだまま無言だった。