しばらくすると
あの男と秘書の笹野がリビングに入ってきた。
ジロッとこちらを睨みつけられる。
私を疑っているのだろう。
まぁ、その考えは、間違ってはないけど…。
ソファーに座り難しい会議などの
打ち合わせをするアイツと秘書の笹野。
それをひっそりと覗き込んだ。
この会話の中に会社を取り戻す方法が
あるかもしれない。
何かいい方法は……。
「……。」
そう思いながらお茶を淹れることにする。
そうしたら
ひょっこりとピンクのウサ耳の頭が見えた。
「ママ。お茶よーいちてんの?」
「えぇ、そうよ。
おじさん達にお茶を淹れてるの」
ニコッと笑顔で伝える。
そうしたら
「美桜。おてちゅだいするぅ~お茶運ぶ」
ぴょんぴょん跳ねながら言ってきた。
えっ!?
「美桜には、まだ無理よ~危ないから」
「大丈夫だもん。
1人で出来りゅもん 」
ぷぅと頬を膨らませる。
う~ん。
だけど、あの2人にお茶を出すのは、
抵抗があるし…いやいやでも



