「実は…あんたと初めて会ったのは、
会社に乗り込んできた日ではない。
もっと前に会っている」
えっ?
もっと前にアイツと会っていると言うの!?
「……いつ?」
覚えていない。
そうするとハッ…と
ため息をもう一度吐いていた。
「無理もない。会ったと言っても
パーティーで見かけた程度の事だ。
俺は、覚えている。あの日の事は忘れない」
懐かしむようで切ない表情をするアイツ。
いつ…?
いつ私は、アイツに会ったのだろう。
パーティーなんてよく出席していたけど
そんな思い出なんてないわ。
「…いつ頃なの?」
「お前が…大澤と婚約をした頃。
何処かの会社のパーティーだった。
俺は、まだ父親が経営している小さな
会社の跡を継いだばかりで…」
※回想。
あの時は、大澤とお前を見た時は、
いい風に思わなかった。
金持ちは、傲慢で俺ら凡人を馬鹿にする事しか
考えてないと思っていた。
だから、お前もきっと…。
ワガママで高飛車な女だと決めつけて
睨みつけるように眺めていた。



