「美桜…」
克服した美桜に感動を覚えた。
あんなに怖がって泣いていたのに
どうして?
私だとダメだったのに…。
美桜は、キャッキャッと
アヒルのおもちゃで遊ぶようになった。
私は、思わずドアを開け浴室に入った。
「美桜…もうお風呂。平気なの?」
「ママ。お風呂しゃん怖くないのよ
ママも入るのよ?」
笑顔で笑いかける美桜。
私は、戸惑っているとアイツが
「かなり荒療治だが…小さい分、好奇心が強い。
怖くないと再度理解させればいい」
「安心感があれば、少しでも勇気が持てるもんだ。
後は、少しずつ慣れさせればいいだろう」
そう言ったアイツの表情は、優しかった。
「……。」
こんな芸当は、私では真似出来ない事だ。
荒療治だなんて
美桜の怖がる顔を見たら可哀相に思えてならない。
なのにアイツは、軽々とやり遂げてしまう。
悔しい…。
「おい、それより分かったんなら早く出て行け。
湯船から出れないからのぼせる」
ハッ!!
「あ、そうね。
ご、ごめんなさい」
私は、慌てて浴室から出た。



