だがアイツは、背中から
私を抱き締めてきた。
ギュッと…。
えっ…?
「ちょっと…」
勝手に抱きつかないでよ…。
「お前は、そのままでいい。
無理して強くなろうとするな」
はぁっ?
何を言っているのよ…コイツ。
意味が分からないし、抱きつくとか腹が立つ。
だけど…涙が止まらなかった。
まるで、全て見透かされてる気分だった。
そんな私をアイツは、
何も言わずにただずっと背中越しに
私を抱き締めてくれた。
慰めてくれようとしているのだろうか?
変なの…大嫌いなはずなのに
何だかホッとする。
有りえないのに…。
しばらくするとアイツは、私の手を引き
歩き出した。
言葉はない。
なのに…その手は、温かく優しく感じた。
ドキドキしていた。
「……。」
普段の私なら嫌がって
振り払おうとするのにそれが出来なかった。



