溢れる涙を必死に手で拭った。
「……。」
もしかして…美桜は、覚えているの?
まだ赤ちゃんだったのに…。
それに…アイツ
まるで何かを知っている口ぶりだった。
知らないはずなのに…何故?
「おい、梨花」
パッと振り向くといつの間にか
アイツの姿があった。
慌てて追いかけてくれたのが息が上がっていた。
「…な、何よ…?」
「お手洗いに行くのではなかったのかよ?
行かないならさっさと戻れ。
お前のママ友が心配していたぞ」
アイツは、素っ気なく言ってきた。
「……。」
私は、涙が見られないように背中を向けた。
何よ…人の気持ちも知らないで
「聞いているのか?」
「えぇ、先に行ってて。
私…後から戻るから」
涙だけは、見られたくない。
アイツにだけは、知られたくない。
きっと…馬鹿にするから



