「何って…そのまんまだが?
アイツは、よく見て理解しているって事だ」
「……っ!!」
その言葉を聞いた時
嫌な記憶が頭の中に浮かんだ。
忘れていたい記憶。
いや…無かった事にしたい記憶を
私は、思わず立ち上がった。
「どないしたん?梨花」
すみれが驚いて尋ねる。
「……ちょっと。
お手洗いに行って来るわね」
そう言うと私は、その場から
離れ歩きだした。
「…どないしたん?あの子?」
「さぁ…?もしかして
聞いたらいけない事だったのかしら?」
彩美は、不安そうに言う。
「…ママ?ママは…美桜も行くぅ~」
置いて行かれた美桜は、ぐずり出した。
「……。」
アイツは、黙って
私の後ろ姿をずっと見ていた。
その頃
私は、人気のない場所を捜して
泣くのを必死で我慢していた。
まさか、アイツにあんな事を言われるなんて…。



