しかしそれでも
指輪は、見つかる事はなかった。
どうして?
どうしてココまで探して無いの!?
私は、落ち込んでしまう。
「梨花。元気だし。
指輪は、小さいさかい
それに案外忘れた頃にひょっこりと
現れるもんやで?」
そう言ってすみれは、励ましてくれたが
忘れた頃……。
大切な結婚指輪だからこそ忘れる事が辛い。
結局。いくら探しても見つからず
おやつの時間になってしまった。
美桜と雷輝君がお腹空いたと言うので
おやつにして
しばらくしてすみれは、帰って行った。
すみれと雷輝君には、申し訳ない事をした。
しかし…どうして
これだけ探しても無いのかしら?
神様は、もう諦めて
忘れろと言いたいのだろうか?
そうなの…無理よ。
私は、隆史の事を忘れるだなんて
ますます落ち込み悲しくなってしまう。
美桜は、そんな私を気にしてか
「ママ。いー子、いー子」
頭を撫でてくれた。
「美桜…」
ギュッと美桜を抱き締めた。
忘れる訳には、いかないのよ。
あなたのパパなんだもの。
そして、美桜をお昼寝させて
家事を済ませた後も探し続けた。
アイツが帰って来るまで…。



