私は、先輩とたこ焼きを食べたり、金魚すくいをしたりして、あっとゆーまに時間が過ぎていった。


「もー行かなきゃな。」

「そーですねー」

「いくか。」

そして、先輩はさりげなく私の指に、指を絡ませた。


て、ててててて、手繋いでるよっ!!

初だよっ!!///


そんなことを考えていると、いつの間にか家についていた。

「今日は、たのしかったです!ありがとうございましたっ!」


「…。」

先輩は、うつむいたまま黙っている。

「せんぱーい??」


私は、先輩の顔を覗きこんだ。

すると、先輩の腕の中に閉じ込められた。


「あぁー。返したくねぇーな。」

「せ、んぱ、い?」

「さっき言ったろ?可愛いから、覗かれると我慢できなくなるって。」

「へっ?……っん」


唇に柔らかいものがあたった。
優しいキスだった。

優しいものから、先輩は、角度を変えていく。


ファーストキスは、なんだか、冷たかった。


なんで?先輩の事、好きなのに。

……嬉しくないよ…。

なんでだろう……。


気づくと、私は、先輩から離れていた。

「み、ゆ?」

「ご、ごめんなさい…」

「なんでだよっ?」


先輩は、またキスを求めてくる。

「や、めて、くださいっ…っん…ぁ」

さっきとは違う、激しいキスだった。

苦しくて、酸素をとり込もうと口を開けると、私の口の中に、先輩の舌が入ってくる。


「んっ…はぁ…んぁ」

「…美優…好きだよ?」


この時の先輩は…怖かった。


「はぁっ…んっ…は、離してっ!」

私は、先輩を力いっぱい押した。

「なんでだよ?美優?好きなんだろっ?」


「こんな先輩は…好きじゃないですっ!」

私は、言ってしまった。

「さようならっ!」



私の初カレと別れた。


私のファーストキスが、奪われてしまった。


私の初めてを、奪われた。