くすんだ街

「なにをしている!! 早く撃て!!」


工場長のヒステリックな声。

聞こえる銃声。
しかし、銃弾はスグルには届かなかった。

代わりに工場長の悲鳴があがった。

思わず、二人は足を止め、息を飲む。

工場長の一番近くにいた少女が工場長に向かって銃を向けていた。


「あ……」


スグルは口を開ける。
少女の顔には見覚えがあった。

確か、スグルを機械まで案内してくれた少女だ。