くすんだ街

「あなたたちはそれでいいの? 感情のないまま操られるだけでいいの!?」


女性が銃を構える少女たちに向かって悲痛な声で叫んだ。

少女たちは無表情のまま、二人に銃を向けている。

列車はどんどん近づいてくる。


「・・・・・・もう時間がありません。強行突破しますよ」


スグルは小さな声で女性に告げた。


「一緒に、だよね?」
「ええ」


怯えたような女性の声にスグルはそう答えたが、自分が彼女と一緒に列車に乗れることはないだろうと思っていた。

彼女だけでもこの街から出ることが可能なら、自分の命などどうなってもよかった。