くすんだ街


「きさまっ!」


工場長が発砲する。
肩に焼けるような痛みが走る。

その痛みがスグルの心にさらなる刺激を与えた。


なにかが間違っている。

なにかを忘れている。

誰かを、忘れている。

大切な、誰かを――