しばらくして、完全に日も暮れかけた頃、少年が立ちあがった。

トウカのことなど気にも留めずにそのまま丘を下っていく。

トウカは慌てて少年を追いかけてその前に回った。


「ねぇ、また会ってくれる?」


少年は無表情でトウカを見つめるが、そこに望んだ反応は窺えなかった。


「明日もここに来て」


すがるように言うと、少年は一回だけ頷いた。