くすんだ街

無情にも刻々と時間だけが過ぎていく。
太陽が沈み始め、冷たい風が体を嬲る。

トウカは全身に疲れを感じながらも歩みをやめはしなかった。

しかし、少年を見つけることは不可能だと思い始めていたのも事実だった。

トウカは、最後の望みを託して、まだ行ったことのない街はずれにある小高い丘まで足を運んだ。

丘を登りきったトウカは目を疑った。

そこには捜し求めていた少年が街を見下ろしながら一人ポツンと膝を抱えて座っていたのだ。

やはり運命なのだ、そう感じた。