彼に一体、何が起こったのだろう?

トウカは、はじめて怒りを覚えていた。

昨日から今日に至る僅かな間に、何者かが少年をあのように変えてしまった。

自分を好きだと言ってくれた少年はいなくなってしまったのだ。

少年の真っ直ぐで熱の篭った眼差しが心に浮かんで消えていく。

自分を助けてくれた少年。
心を思い出させてくれた少年

トウカは、その後ろ姿を見つめながら強く強く誓った。

今度は自分が彼を救う番だ、と。