そこはくすんだ街。
人々が心をなくし淡々と時を過ごすところ。


くすんだ街にトウカが住むようになったのはいつだったか。

物心つく頃には、既にその街の工場で働いていた。

工場で働いているのは、トウカと年の変わらない少女たちだった。

だから、トウカは自分がそこで働くことに関して疑問を持ったことはなかった。

皆が働いているからそうする。
ただそれだけだった。