断罪校則

 
 
(一か八かだな)

固く目を瞑り、強い意志を持って棚を開いた。が、特に警報が鳴る様子もなくホッと胸を撫で下ろす。かと言って未だ油断は出来ないのだが。

(……ん?)

ゆっくりと開いた瞳に映るのは、一冊の本。

真っ黒な装丁に、タイトルもなければ著者も記されていない不可思議な本。それに厚さ一センチといったところか。

(本とは言えない物かもしれないな)

そう思いながらもそっと手に取ってみると、見た目の薄さとは反対にずしりとやけに重たかった。

(一体何が、)

期待と不安が入り混じるなか、慎重に表紙に手をかける。




【この試作規定を、子供達に決して知られてはならない】

開いて一番に目についた文章に息を呑んだ。この先を読んでもいいものなのかどうか真剣に迷う。正直、一人で目を通すのは恐い。耐えられる内容なのだろうか。

【この試作規定は、校則として子供達に教える事】

(――試作、規定?)

【そして校則違反者には、政府が定めた対処を迅速に行う事】

(やはり、黒幕は政府か)

無意識にページを捲る手が震えてしまう。でも、この先がきっと、重要な、









「……ユズリ?」

瞬間、

どくりと大きく心臓が鳴った。

だって、絶対に有り得ない。有り得ないけど、だけど、聞き間違える筈もない。

「先生、」

愛しい、愛しい、人の声を。