断罪校則

午後八時、視聴覚室前


「じゃあ、私はこのまま校長室に向かう。苑田君は職員室へ行ってくれ」
「おし。リョーカイ!」

二人で行動すると悪目立ちをする為、俺達は別々に和也を探す事に決めた。確率の高い『校長室』と『職員室』に分かれて。

「気をつけろよ。まだ人が居るかもしれない」
「解ってる。矢木さんこそ、あんま無茶すんなよな」
「ふん、愚問だな。私を誰だと思っている」

「……矢木さんだぞ?ってか」

ふっと笑い合って、どちらからともなく静かに手を上げた。

「「また、此処で!」」

振り返ったりはしない。だって、信じているから。だから、俺達は互いに背を向けて走りだせる。それぞれの進むべき道へ。















同刻、校長室前 ――side.和也


(鍵が開いてル…)

音を立てないように、細心の注意を払ってドアノブを最後まで捻る。意外にも中は到って普通の校長室だった。

ふかふかの絨毯に大きな机。座り心地の良さそうな椅子に、清潔感溢れる真っ白な綺麗なカーテン。

どくりと激しく動き出す心臓を服の上から押さえて、慎重に足を進める。そして窓際まで来た所で、ふと妙なものに目を奪われた。

(こんなの、聞いてナイ)

本棚の影に隠れるようにして存在する、何処へ繋がるのかも解らない鉄の扉。