断罪校則

「なあ、どこ行くんだ?」

校舎を出てからも歩くペースを乱さず、えらく速足な矢木さん。正直、置いて行かれないように歩幅を合わせるだけで精一杯。堪らず声を掛けてみたものの、

「着けば解る」

一蹴されてしまった。

この人には口でも頭でも勝てない。きっと何を言っても無駄なんだろうなと悟った俺は、矢木さんを見失わないように、何度も何度も前を確認しながら短く文章を打った。


>出来る時でいいから連絡くれ。待ってる

相手は勿論、和也。

返事が来ない事は承知だけれど、どうしても“繋がって”いたかった。


和也は強い
和也は大人
でも、本当は弱い

――誰よりも脆い。


それは幼なじみである俺が一番よく知っている。だって、ずっと一緒にいたんだから。






「――ん、苑田君」

矢木さん声で我に返る。

「何をボーっとしている。着いたぞ」

そう言われて顔を上げると、そこにはダークグレーとホワイトを基調にして造られた外壁が、お洒落で美しいタワーマンション。

考え事に夢中で、どれだけ歩いていたのかは記憶にないけど。自転車やバイク、電車も使わずに歩いて来れる距離だったってのは確かだ。学校から程近いこの好条件。

もしかして此処、