断罪校則

一瞬、身体を貫くような。

強烈な視線を感じたような気がする。いや、視線というよりは殺意や敵意。そういった類の得体の知れないもの。

「…ま、まあアレか?多分校長はヅラか何かなんだよ。ザマァ」

はははっ、と笑って前を向くと。教卓の前には既に担任が来ていた。四十代前半の、典型的なオバチャン教師の物言いたげな熱視線が痛いほど突き刺さってくる。

あ、これアカンやつや。

寧ろこっちの視線の方が今は脅威だわ。大問題だわ。よし。俺と和也は静かに目を合わせ、そっとタブレットの電源を入れた。

刹那、

≪メール受信中≫

の、文字が飛び込んでくる。幸い俺の席は、窓際の一番後ろ。誰にも気づかれる心配は無い。心配は無い、けど。

眉間に寄る皺が、一段と深くなった。


この学校の授業は全学年タブレットを使って行われている。今は何処の学校も同じだろう。一昔前のように、教師が黒板に書くものをノートに写す。そんな原始的で、面倒臭い時代は終わった。

でも、それにしたってオカシイ。

必要な授業中は例外とし、SHRの時間や休み時間は学校側から自動的にロックが掛けられ、メールやネット接続は出来なくなっている筈。一体、何なんだよ…

少し気味が悪いな。そう思いながらも俺は、担任や周囲にバレ無いようにメールアイコンをタップした。