「――てか、」
自分が打ち込んだ文字を改めて読み返しつつ、ゆっくりと背骨を伸ばす。
「後半はゼッテーねえな?」
『そうだね。前半も中々怪しいケド、違反者は強制労働と強制勉強をさせられるっていうのはありえそうな気がするヨ』
「確かに。それなら先輩の言ってた三日間のつじつまも合うしなー」
『あと、ピアス』
「それな!それは思った」
『先輩もついてたもんネ』
俺と和也は、同時に小さく溜息を漏らした。なんつうか、更に謎が深まった気がする。
『……あ、コッチに送れる?』
「ん?ああ、そうだな。今から送るわ」
和也の言葉に、慌ててスクリーンショットを撮り。そのまま雑に添付した。
画面の向こうの親友は、オーケーと指でサインを出して、慣れた手付きで中身を確認中。そんな様子をぼんやりと見つめながら、俺はある事を考えていた。
それは、矢木さんの言っていた言葉。
――まだ死にたくないだろう?
つまりは、殺されるかもしれないという事か?だとしたら、嘘臭い噂も蔑ろには出来ない。もしかしたら真実なのかもしれないし。やっぱり悪質の冗談なのかもしれない。
「だああああ!もうわっかンねえ!」
頭をガシガシと掻き毟り、思わず吼えてしまった俺に視線を向けた和也は。画面越しにキョトンとした顔で小首を傾げる。
『……何ヨ?頭ショートしたの?』
「あ、や、まあ、そんなトコかな」
ははは、と。乾いた笑い声を残して、苦し紛れに明後日の方向を向く。
「そ、それよりさ。その首の痣!あと、何がタイムリーだったのか教えろよ」
なんとか。なんとか誤魔化そうと捻り出した言葉がこれ。我ながらよく出てきたと思う。
『…ああ、ソレネ』
「そうだよ!マジで気になるからさ、話に集中出来ねーし。なっ!」
『ウーン、約束したしね』
一先ず、作戦は成功したみたいだ。
俺は和也にバレないように、心の中で密かに勝利のガッツポーズをした。



