「なー、お前あの事件のまとめ見た?」

「見た見た!やっべえよなー」
「マジさーあんだけの事ヤらかしといて名前すら出ねーんだもんな。顔はモザイク処理だし。まあ、ネットでは晒されまくってっけど」
「あー、俺も回ってきたやつ開いたわ。でも、幾らネットで晒されても引っ越しして名前変えて整形でもされたらわかんなくね?数年後には余裕で出て来るっしょ」
「おー、クッソ怖えー」
「うぜえよな」
「なー」


「…けどさ、」
「ん?」
「裏を返せば俺らだって何やっても今なら守られるべ?」
「ブッハ!それ言っちゃう?」
「だってよー、少年法最強じゃね?」
「まあなー」







――西暦20XX年


十代の少年少女達が起す凶悪犯罪が増え続ける世の中。政府は一般市民には秘密裏に、ある校則を全国の学校へと設けるように指示を下した。

この校則の真意を、子供達に決して知られてはならない。

日本中の学校に配布された一冊の黒い本。その本の中に記されている校則の本質的な部分は、大人達だけが。いや、教師だけが知っている。そして、その校則を破る者在らば。




さあ、ここから先は貴方自身の目で確かめてみて下さい。これはそう遠くない未来の、現実に起こり得るかもしれない。


そんな、話。