?挿話?

始まりがあれば
終わりもある。

それはこの世の真理だ。

この物語を語り終えたら僕はどうなるのだろうか。
僕はどこに帰るのだろう。
そもそも僕に帰る場所はあるのだろうか。
役目を終えて消えてしまうだろうか。
分からない。謎。謎。謎。


なぁ誰か教えてくれないか?


僕は誰なんだ。






声は虚空へと消えていった。



一一一一一一一一一一一一一一一一一一

《4》



「え、てっちゃん学校休んだの!?」


「ああ、徹也のやつ風邪引いたみたいでさ。ひまりにも言っといてくれってさ。」



ひまりにそう告げたのは同じクラスの、、、えっっと、、、えっっと、、、あっ、、、たしか、、、しゅ、、、修一?



「もうっ、それなら修二君じゃなくて直接私に連絡くれたらいいのに」



そう、修二ッッッッ!!
おしいっ!ニアピン!!!
一個たらんかったァァ!!
くそぉ、これ悔しいなぁ。
次こそは当てるぞぉー、当ててやるぞぉー。


「いや、俺も同じことアイツに言ったんだけどさ、ひまりは携帯止まってて繋がらないから!だってさ、」



「あっ、、、そうだった_| ̄|○」



(携帯料金滞納してたんだったぁ。お金ないのに先月パズドラ課金しまくっちゃったからなぁ。あーーーバイト行かなきゃなぁそろそろ。てっちゃんごめーん。)


パズドラ課金なんてしてんじゃねーよッッ!!あれ、言っとくけど麻薬みたいなものだからね?一度課金したら止められなくなるからね。
あー恐ろしい恐ろしい。
ソーシャルゲームなんて僕は絶対やらないぜ、どうせ同業の傍観者仲間(本当にいるかは分からない)もたくさんやってるんだろうけど、俺は絶対やらない。
つかラインとかで送られてくる「君も一緒にやらないかい?」的なやつ最近多すぎだからッッ!迷惑だからあれ!
むしろ僕が新しいソーシャルゲームを作って金儲けでもしようかね。
タイトルは、、、傍観者ストライクってどうだろう。略してボンスト!
おお、これは売れそうだ。




「まあ学校終わったらお見舞いにでも行ってやれよ」



「うん、そうするつもり!ありがとね修二君」



「アイツは本当に良い彼女を持ったなぁ、うらやましいぜ」



「修二君もイケメンなんだから、きっとすぐ彼女できるよ」



「だといいけどな。はは。」




(修二君は好きな人いないのかなぁ。ちあきのことどう思ってるのかなぁ。ちあきはずっと前から修二君のこと好きなんだけどなぁ)





青春だねぇ。まったくシビれるぜ。
十人十色。その人にはその人にしかない人生がある。その人にしかない青春がある。
恋せよ乙女。恋せよ青年。
恋せよ人類。



つか、ちあきと修二のサイドストーリーが始まったりしないよなぁ!
ひまりの奴、微妙に変な伏線はってんじゃねーよ。ややこしくなるから。僕はひまりと徹也の傍観者だっつーの。




いや、正確にはひまりの傍観者かな。





一一一一一一一一一一一一一一一一一一


?ちあきside?


ちあきは今流行りのソーシャルゲーム、ボンストをやりながらも、一人のクラスメイトのことを考えていた。


その相手の名前は修二。


背が高くて
黒髪の短髪が似合う男の子。
サッカー部の部長で、、、

ってオィィィィィィィィ!!!!
だから始まらないって言ってんだろうがッッ!!!


なに?読者は気になってる?

知るかッッ!





一一一一一一一軌道修正一一一一一一一




下校。

自宅(準備)

徹也宅。



インターホンを鳴らすと徹也のお母さんが出迎えた。


「あら、ひまりちゃん徹也のお見舞いに来てくれたの?」


「はい、てっちゃ、、あ、徹也くん具合大丈夫ですか?」


「ふふ。気にしないで、いつも呼んでる呼び方でいいのよ?
徹也少し熱があるみたい。とりあえず部屋に行ってあげて」



「あ、、はい!お邪魔しますッ」



向日葵は徹也の部屋がある二階へと上がる。
徹也の部屋。ニュアンス的に徹子の部屋みたいだな。一文字違いだし。死ぬほどどうでもいいな。



「てっちゃ?ん!起きてるー?
お見舞いに来たよ♪」



「おお、ひまりか!起きてるよ!入って入って!」



「てっちゃん!元気ー?」



「その質問おかしいだろ!いちおう病人です!まあお前の顔見たら病気なんて吹っ飛んだけどな」



「あ、そう?じゃあお見舞いいらないよね。さよ?なら??」



「嘘嘘嘘嘘ーっ!!死ぬーっ!助けて!天に召される!逝ってしまうー!」



「あはは!てっちゃん大袈裟だよー!!」



「病人をからかうなっちゅーの」



「ごめんね?」



向日葵はお見舞いで買ってきた果物を食べさせてあげたり、今日の学校の出来事話したりした。



「うあー、すげー寝汗かいてるし俺、気持ち悪りぃ。」



「でも熱あるのにお風呂はよくないよ、体拭いてあげるから、脱いで」



「わりぃ、たのむわ」




そう言って徹也は服を脱いだ。
なかなか引き締まった体のラインに思わず僕は見とれて、、、、しまわねーよ!?見とれてしまわねーよ!?
なんでちょいちょいBL色で染めようとしてくるんだよッ!まあ実際、腹筋8個に割れてるの見て、オオオッてなったけどさッ!




「てっちゃんの背中好き、大きくて男らしい」



「おいおい、好きなのは背中だけかよ」



「だけなんて言ってないじゃん!私はてっちゃんの全部が好きだよ」



「俺もひまりの全部が好きだ」



背中を拭いてたはずなのに、いつのまにか徹也がクルッと向きを変えて、二人は向き合う形になっていた。


「てっちゃん………今日はしないからね?」



「ですよね_| ̄|○ガク」



「本当に変態さんだなぁ、今日はこれだけで我慢してね」



二人はチュッと唇が一瞬触れ合うようなフレンチキスを一回した。




「あ、風邪移ったら、ごめん」




「いいよ移っても、だってチューしたかったし」



チュッ?
じゃねーよ。
思わぬシンクロ効果のせいで、なんか僕も、、、はずかしくなるじゃないか。

つーか、この二人があーんなことやこーんなことをする時も僕は傍観しなきゃいけないのか。
なんなんだよこの僕の残酷な運命は。
まだ普通のAV見てたほうがマシだわ。
まあ傍観者に性欲などないがね。


若いうちは青春ならぬ性春を存分にしたらいいさ。
◯◯が◯◯な感じで◯◯◯して◯◯を◯◯◯すればいいさ。



別にはずかしいことじゃない。



愛の行為だ。



実に人間味溢れる人間らしい人間の本能的な行いじゃないか。



素晴らしいことだ。






ん、ひまりの心の声が聞こえる。




実は背中を拭いてるあたりから、ちょくちょく聞こえてはいたんだけど。







なになに。






うん。
お前も立派な変態さんだよ。