名もなき傍観者

「は、狭間組だと!?」



鉢屋は面をくらったような顔をした。



「なんで狭間組のやつがここにいる!?」



「まあ別に俺は狭間組として今日ここに来たわけじゃねー。ひまりの彼氏としてここにきただけだ。」




「は…ざ…ま…ぐ…み??なんなのそれてっちゃん?」




「ひまり、ごめんな。あとでちゃんと話すから」




狭間組というワードを聞いた途端に、場の空気が凍るように、鉢屋やその他4人の表情が変わった。




軋む体をなんとか起こし、徹也は言った。



「俺は狭間組、組長狭間恭司(はざまきょうじ)の息子、狭間徹也だ。」



その言葉に男たちは驚愕の表情を浮かべた。



「やっぱそうゆう感じになるよな。あーあ、これだからこの名前は使いたくなかったんだ。俺はこの名前に負けないように生きてくって決めたのに、くそ。」


驚きを隠せない鉢屋に
完全に同様している下っ端たち
呆れ顔の徹也に
困り顏の向日葵

もう何がなんやら

とりあえず「狭間組」という言葉一つで絶望的だった状況は一変した。



狭間はそれでも強気の姿勢を見せた。


「狭間組はたしかに大組織だが、その名前を悪用する奴だってゴロゴロいる、お前が狭間組だという証拠があるってゆうのか?」



「これを見てもまだ信じねぇか?」


徹也がその手にかざしたのは、金色に光る勲章だった。



「それは……間違いねぇ、狭間組の……」


鉢屋もさすがに観念してようだ。


「なぁ、取り引きしねぇか?」



「取り引きだと?」


「俺は親父には何も言わねぇ。だからお前らもここは静かに引いてくれそして二度とこの家に近づかない。それでこの場は終わり、どうだ?」


「なんだそりゃあ!?金を借りたのはそっちのほうだぞ!無茶苦茶だ、取引でもなんでもねー!!鉢屋さん、こんな条件飲めるわけがねー!」



「テメェは黙ってろッッ!!!」





その条件を聞いて湧いて出た下っ端を牽制した鉢屋は、しばらく考え込んで、






「その取り引き……飲もう」