名もなき傍観者


「てっちゃんッ!なんでここに来たの!?」



「フゥーッフゥーッ」



徹也はスーツの男四人をバタバタと倒して、息を荒くしていた。
何度か打撃をもらったようで、口から血を垂らし、左目も腫れていたが
その鋭い眼光を向ける先には鉢屋がいた。
向日葵の疑問にも目も暮れず、その怒りは完全に鉢屋に向いていた。



「ワレはなんや?こいつらの関係者か?」



「理由はしらねぇ…が、とりあえずテメェは絶対ぶっ殺すッッ!!」



「殺すダァ!?俺もなめられたもんだな、このクソガキァァ!!」



徹也と鉢屋がぶつかる。
お互い拳をぶつけ合った。



「てっちゃん……どうして来ちゃったの……」


向日葵は不安に満ちた表情だった。

でもボクにはわかる。

突然の救世主に安堵している。

ボクも同じだから。



でも、徹也………鉢屋に勝てるの?


鉢屋は他の四人とは格が違う。
ケンカの仕方を知っている。
それは、動きを見てすぐに理解できた。


「クッソ、コイツつえぇ。」


「大人なめんなよガキがぁ」


徹也の攻撃を交わし、すかさずボディにパンチをお見舞いする。
相当、戦い慣れているのか、鉢屋は徹也の攻撃を読んでいるようだ。
男4人を次々倒した徹也もなかなかケンカ慣れをしているようだが、そこで体力を消費したことを差し引いても、この鉢屋という男は強かった。


「ぐっ!」


「おいガキ。バテてきたかぁ?まだまだ行くぞ」


鉢屋の猛攻をなんとか掻い潜りながらもパンチを繰り出すが、なかなかクリーンヒットさせることができない。
せめて、一瞬でも全力を叩き込むチャンスがあれば。


徹也は壁際へと追い詰められる。
状況は完全に鉢屋だ。



「ハァハァ……くそぉ……」



「これで終わりだ、ガキッ!」



鉢屋が渾身を込めたストレート。




やばい、くらうッッ、、、


喉の奥から振り絞るように_________向日葵は叫んだ!!!



「てっちゃんッッ!!!負けないでッッ!!!」




バキィィィィッ!!!!!