名もなき傍観者

ひまりの意識は切れかけていた。


慶三の体力もすでに限界に達したのか、ひまりを包むようにして守っていた体にすでに力はなく、ぐったりと向日葵にもたれかかるような状態になっていた。


( もう家族を失いたくない……)


向日葵の心の声が痛かった。



(お願い、誰か助けてッ……)



「なかなか頑張ったなぁワレ、でもそろそろ眠れや」



鉢屋がトドメの一撃を食らわせようとした、そのとき_________


ガダンッッ!

と、

鉢屋の背後から大きな音がした。



「おい、テメェは誰だッ……ぐあっ」


「なんだコイツ…おい、取り押さえろッ」


「このガキッ、なんて力だッ」


「ぐっ、囲めッ!全員でたたむぞッ」



男四人を相手に暴れまわるその姿は



猛々しく力を振り回すその姿は




普段あまり見ることのない怒りの表情で一瞬気づかなかったが、




コイツは…………








「てっちゃんッッ!!!!」