名もなき傍観者

ガシャ。

徹也がシャワーを終えて戻ってきた。


「おまたせ。ひまりも入ってこいよ」


「う、うん、わかった」


「それとも背中流してやろうか?」


「い、いいよいいよいいよッ!一人で入れるから!」


「あ、やっぱ緊張してる。いつもならバカテツ!とか言ってくるのに」


「うぅぅ〜からかうな〜〜」


「ほらほら、肩の力抜いて、行ってこーい」


徹也にポンッと背中を押されて、ひまりはシャワールームへ入った。


………………。



シャワーを浴び終えたひまりが戻ってくる。


「おまたせ」


「おう」


時間が一瞬止まったかのように、不思議な間が生まれる。



「ひまり、隣来いよ」



徹也がエスコートする。



「ひまり、脱がしていいか」



徹也がエスコートする。



「優しくするから」



徹也がエスコートする。



「大丈夫、痛くしないから」



徹也がエスカレートする。



「ひまり……」



徹也が………



「今日も……やめとくか」



……行為を止めた。



「てっちゃんごめんね…ホントにごめん」



泣き出したひまり。



「いいんだよ……今日はやめておこう。ひまりが大丈夫になるまで俺は待つからさ」



徹也の優しさに安堵したのか、さらに涙を流すひまり。



「ぐす……ありがとう。ごめんねてっちゃん。」