「かもな」

先生が入って来ても、僕と原田の間の女子の席はは誰も座っていなかった。

「おい、立ってる奴は席に着け」

入って来た担任は吹奏楽部の顧問で、30代半ばぐらいの高杉瑞樹(タカスギ ミズキ)先生。いわゆるイケメン先生で、女子からの人気は高いんだけど、なんたって服装がいつもいつもジャージ。運動部の顧問でもないし、担当教科は化学だから、ジャージでいる必要は全くないと思うんだけど。そこが、一部の女子に全く受け入れられない要因でもある。だから、独身なのかなぁ。あ、いや、独身だから、毎日ジャージなのか?そう、そして新学期初日の今日ももれなくジャージ。

「はい、全員起立」

高杉先生の号令で全員立ち上がった。