「行ってきますっ」

と、玄関を出ていつもの場所に置いてるチャリに跨がって、笑くんちの前を通って行こうとしたら、

「おおお〜っ」

て、ハスキーボイスが背後から聞こえてきた。

「笑くん、おはよう」

チャリを止めて、笑くんが追い付くのを待って、並んで走る。

「どうや?随分練習しとるみたいやけど、弾けるようになった?」

「うん。一通りは弾いてみたけど、まだまだかな」

「なんか、難しいとこある?」

「今までクラシックしか弾いた事なかったから、ロックのノリみたいなのがイマイチ…」

「ふ〜ん。俺は、そういうのよーわからんけど、ノリなんて、皆で合わせれば、すぐわかるようになるんやないかなぁ」