楽譜から目を離して、笑くんたちの方を見る。

「…どうでしょう」

な、なんか、沈黙なんですけど…。と、僕の縋る様な視線を感じた笑くんが、

「…どうなん?」

と、アベちゃんさんの顔を見た。

「…うん…」

うっ、まさかの『うん』だけっ?それって、コメントする気すら出て来ないって事かぁ?

「アベちゃんが、なんも言わんって事は、合格やんなぁ」

って、めちゃめちゃ笑顔の笑くん。ん?どういう事だ?

「そうだな。初見であれだけ弾ければ、これと言ってケチつける所無しだな」

って、アベちゃんさん。ま、マジか?マジなのか?

「じゃ、アベちゃんの後釜、草ちゃんくんで、OKって事?」

と、フカザーさんが、アベちゃんさんを見た。