「なんで、無視?」

「…ゴメン」

この人は隣の家の長男の神宮寺笑(ジングウジ ショウ)くん。僕の1コ上で、同じ高校の先輩でもある。身長は僕よりちょっと高いくらい。自称170って言ってるけど、多分ちょっと足りてないんじゃないかなぁ。顔は少女マンガに出てくるようなイケメンだけど、身体は結構マッチョで腹筋は無駄に6パックに割れてる。

「今日のライブ、来るよな?」

「い、いや…、今日は…」

「はぁ?聞こえない。来るよな?」

「…行くよ」

名前と違って全然笑ってないハスキーボイスの笑くんに凄まれたら、断り切れなくなってしまう、優柔不断な僕。はぁ〜。

「よ〜し」

満足そうにニッコリ笑う笑くんは、ロックバンドのヴォーカルやってる。