「…それって、母さんの事?」

「…。ま、頑張れよ」

って、父さんは僕の肩をポンと叩いて出て行った。

「は〜」

再び、ベッドにゴロンと寝転ぶ。そっか、チューも出来ないのか…。いや、別に今、チューしたい相手がいるわけじゃないけど、今年17(セブンティーン)なんだから、こっからでしょ、僕の青春。なのに、このままじゃ、青春出来ないじゃんっ。もし、普通の子好きになったとして、チューしただけで、食われちゃうのかなぁ。ふと、ヤツを見上げたら、何気に目が合った。

「…」

「なんとか言えよ」

「…」

あ、無視した。そう、ヤツとは時々目が合う。だけど、その後は大抵こうやってまた何食わぬ顔でユラユラしてる。