強打した頭では、こんな単純なことすら計算できなかったのだ。 あたしは聞こえない振りをして、立ち止まらずにそこを通過しようとした。 「ちょっと? えーっと… カイドウさん? どうしたの? 安静にしてなきゃダメよ」 あたしは背中から聞こえる声の主に振り返って言った。 「お願い、邪魔しないで」