久しぶりの1日仕事は身体が堪える。
疲労困憊状態で2階の浴室へ向かう足取りも重い。
手早くシャワーを浴び終えた俺は、女が待つ裏口へと。
玄関を出て通用口を覗き込むと、勝手口のアプローチに腰を下ろしていた。
「待たせたな」
「あっ、……いえ」
蘭はスッと立ち上がって俺のもとに駆けて来た。
「お前んち、どこら辺?」
「えっ?」
「もう遅いから送ってやる」
「えっ、あっいえ、大丈夫です」
両手を顔の前で大きく振る蘭。
一応、常識はあるらしい。
「んじゃあ、お前は自宅に帰る。んで、俺はお前の横を歩いてるだけ。そういう事にしとけ」
「えっ、でも……」
俺は蘭の返事を待たず、駅へと歩き出した。
そんな俺を渋々追って来る蘭。
傍から見たら、どんな風に映ってるのだろうか?
差ほど遠くない駅までの道のり。
夜とはいえ、蒸し暑い。
せっかくシャワーを浴びたのに、既に肌がじっとりと湿り始めた。
「おい、黙ってねぇで何か言えよ」
「あっ、………はい」
俺の半歩左斜め後ろを歩く蘭。
俯き加減の顔がゆっくりと持ち上がった。



