モテKingのターゲット



部外者はとっとと出て行けと言わんばかりに女を追い出す。

俺は問答無用に販売スペースに追い出してやった。


でも、これだけじゃ気が治まらねぇ。

アイツと俺の差を見せつけてやる。


俺は一旦邪な考えを脇に避けて、目の前の仕事に精を出した。

……アイツがガラス越しに俺を見てると感じながら。





途中休憩を挿みながら、気が付けば夕方。

再び店内が混み始めた。


翔は相変わらず、愛想を振り撒きながら女性客と話し込んでる。

暢気な奴だ。


親父は在庫整理に倉庫に行ってて、リュウさんはカツサンドに使用するトンカツを揚げている。

俺は厨房内の冷蔵庫の掃除を始めた。


すると、


「あの、………周さん」


突然背後から声がかかった。

振り返らなくても、誰が声を掛けて来たのか分かる。


俺は嫌悪感を露わにして振り返る。


「あ?」

「……後で少し、お時間頂けますか?」

「…………嫌だって言ったら?」

「…………日を改めます」


昨日の威勢は微塵もなく、不気味なほどにしおらしい女。


「………仕事が終わったらな」