モテKingのターゲット



何かのイベントが近くであったのかな?

同じような紙袋を手にした人が大勢乗り合わせて、その袋の角が背中に当たって痛い。

だけど、すし詰め状態の車内だから、身動き取るのも無理そうで。

仕方なく、小さな溜息を吐いて我慢する。



2駅分ほど揺られると、微かにお尻に違和感を覚えた。


―――――まただ。


結構頻繁に痴漢に遭う。

正直、気持ち悪いし寒気がする。

肌が粟立つのを必死に堪えるのがやっと。


だって、振り返るのも怖いし、目が合ったら気持ち悪くて吐くかもしれない。


やり場のない感情を押し殺してると、次の駅に到着してないのに、お尻に感じる違和感が無くなった。

だけど、振り返って確認する勇気はない。

だから、窓の外をじっと見据えて、息を殺してると。


顔の横にスッと腕が現れ、目の前のドアガラスにドンと手が置かれた。

そして―――――


「お前、馬鹿なの?」

「ッ?!」


聞き覚えのある声がして振り返ると、


「あっ!」


私の身体を覆うように彼………周さんがいた。