「あぁ、そうだよ」
俺は印籠を渡すみたいに言い返す。
すると、
「倉田先生とは、ちょっと複雑な関係です」
「複雑って?……恋人じゃないのか?」
「ちっ、違います!」
「じゃあ、援交相手?……教員にあるまじき行為だけどな」
「なっ!倉田先生はそんな人じゃありませんっ!!」
「フッ、ムキになるところを見ると、ますます怪しいぞ」
蔑むように嘲笑すると、シャーッとカーテンが勢いよく開いた。
「根も葉もない噂を信じる人間に、悪口叩かれる覚えはありません!!」
蘭は嫌悪感を露わにし、キッと睨んで来た。
そして、俺を無視するように目の前を通り過ぎ、入口脇にあるタイムカードを押す。
「すみません。勤務時間になりましたので、お話なら……また今度」
俺の方に振り返りもせず、吐き捨てるようにして出て行った。
俺はすぐさま彼女の後を追った。
厨房入口脇にある洗浄場で手洗いをする彼女。
そんな彼女の背後に立ち、
「じゃあ、倉田が援交相手じゃないなら、『CLUB 泉』で、何してんの?」
「ッ?!」
俺の言葉にビクッと身体を震わせ、次の瞬間!!



