ケンが言ってた『援交・パトロン』というワードが脳裏を過る。

だって、見るからに不釣り合いの2人だから。


かなりの美人な女と、中年オヤジの養護教諭。

人の好みなんて人それぞれだから、それに関して口を挿むつもりは無い。


だけど、明らかに不釣り合いだ。


養護教諭は確か40歳手前で、去年離婚したってケンから聞いたな。

ぽっちゃりお腹に、髪も薄らと地肌が目立つ。

少女漫画や小説の世界のイケメン教諭とはかけ離れている容姿。


うちの学校の教諭ランキングでもワースト5に入るような不人気の先生なだけに、違和感を覚えた。

………密会とも言うべき、状況に見える。



俺は素知らぬふりして2人のもとへ近づくと。

俺の足音に気付いた女が、素早く保健室手前の階段を駆け上がって行った。


チッ、逃がしたか。



養護教諭は受取った袋をさり気なく隠し、扉を開けた状態で中へと消えた。

俺はすぐさま後を追い、保健室の中へ。