いつも通りに登校したのはいいが、今朝はちょっと不調気味。

朝から頭痛が酷くて、視界が歪む。


「おいっ、大丈夫か?」

「…………ダメっぽい」

「保健室で休んで来いよ」

「………ん、そうする」


ケンが心配そうに見守る中、俺はふらつく足で保健室へと向かった。



うちの学校は、巨大迷路みたいに複雑な造り。

昔は普通科しか無かったらしいが、時代の流れに合わせて、特進科、英語科、総合福祉科、食品工業科、電子科等が次々と加わり、進学と就職の両方に力を入れている。

だから、校舎もそれ相応に増えて、渡り廊下も多いし、専門教室も比例して多い。

結果的には、移動するのに面倒だ……という事。


今日みたいに具合が悪いと、保健室までの道のりが遠く感じる。

……何で保健室って、1つしか無いんだ?



半ば意識朦朧としながら、漸く保健室へと続く廊下へと辿り着いた。


すると―――――、