電車に乗り込んだ俺は、サラリーマンの横をキープ成功。
さり気なくケンの腕を掴んで、奴も道連れ。
本当は綺麗なお姉さん方に囲まれたいけど、これには深~い事情がある。
通勤通学のラッシュの時間帯は“悪魔の晩餐”と思えるほど、恐ろしい状況に陥る。
パッと見、綺麗なお姉さんと思えるOLの女性が隣りになると、混んでる車内で痴漢に遭遇。
……いや、犯人は俺じゃないよ?
周りのサラリーマンでも男子高校生でも無い。
――――そう、襲われてるのは、この俺。
悩ましげなボディを惜しげもなく密着して来て、悪魔のような笑みを浮かべながら、俺の大事な部分に手を掛ける。
これが、きちんと段取りを踏んで遊ぶ約束をした相手なら手放しで喜べるけど、現実は違う。
俺が吟味した相手でも無いのに、拒否権なく求められるのはちょっと勘弁。
肉食系は嫌いじゃないよ?
して欲しい事をちゃんと口にしてくれるから、意外と遊ぶのは楽なんだけど。
でもさすがに見ず知らずの人と、朝から公共の場で、しかもギャラリーがいる中って……。
俺、そこまで落ちぶれてないからね?
だから、満員電車はサラリーマンにがっちりガードして貰ってる。
出勤前にお仕事させて申し訳ないけど、こればかりは仕方ない。
世の中、持ちつ持たれつだからね?



