モテKingのターゲット



本革の柔らかいソファに蘭の身体が沈み込む。

そんな彼女に覆い被さるように見下ろして――――。


「俺の話を最後まで聞けって」

「…………ヤダっ!聞きたくない!!」


潤んだ瞳でキッと睨み、プイッと顔を逸らした。


何だよ、その顔。

やべぇ、可愛すぎる。

マジでそそられて、今すぐキスしてぇ。


兄貴面してた筈の俺は既に1人の男になっていて。

その男は明らかに危険なオオカミだという事。

でも、まだ優しいオオカミを装って可愛い子ちゃんに話し掛ける。


「俺さ、今まで散々遊んで来たけど、1度も本気になった事ねぇんだわ」

「………へ?」

「『好き』って感情がどんなものか、よく解んなかったし」

「………」

「だけどさ、ある女に言われたんだわ。“中途半端な優しさなんて、要らない”って」

「…………ッ?!」

「だから、その子だけは大事にしたい」

「………えっ、えっ………??」


俺の言葉が脳内で反芻してるようだ。

くりっとした瞳が答えを求めるように彷徨い始めた。


そんな彼女の腕をそっと離し、ゆっくりと耳元に顔を近づけ……。