何だろうな。
俺はコイツの涙に弱いらしい。
女の涙なんて腐るほど見て来てるのに、コイツの涙には嘘が無い。
だから、いつでも俺の心を抉るんだ。
「何で泣くんだよ」
「馬鹿にされたのが悔しいからに決まってるじゃないっ」
「だから、馬鹿になんてしてねぇーしっ」
あぁ、本当にどうしたらいいんだか。
やっぱ、ここで正直に話さないとダメっぽくね?
だってさ、気付いちゃったんだよね?
俺はコイツが『好き』だって。
だから、あんなにも必死になって距離を取ろうとしたり。
出来るだけ体裁のいい理由を見つけて納得させようとしたり。
今まで散々遊んで来た筈なのに。
女なんて簡単に切り捨てて、軽く見て来た筈なのに。
コイツにだけは嫌われたくないと思ってしまった。
そして、この真っ黒に汚れた俺の手で触れてはイケナイ気がしてならない。
だから、兄貴を装って自分の心を偽って。
そして、自らの欲望に必死に歯止めをかけてたのに………。
こんな風に切ない顔をさせたい訳じゃない。
涙なんて流して欲しくないし、いつでも笑顔でいて欲しい。
俺に出来る事があるとすれば―――――。



