モテKingのターゲット



満腹になった俺はソファの背もたれに身体を預け、静かに瞼を閉じる。

蘭が食器を洗う音を聴きながら、無意識に頬が緩み出した。


「蘭、お茶~」

「はぁ~い」


何だ、この会話。

うちの親父とお袋みたい。


身体のこりを解すように腕を伸ばしていると、


「はい、お茶」

「ん、サンキュ」


テーブルに置かれた淹れたてのお茶を手に取り、そっと口付ける。

すると、そんな俺の動作を真横で凝視する蘭。


「ん?」


湯飲み茶碗をテーブルに置いて、蘭に視線を向けると。


「さっきの質問の答えが知りたい」

「………………あ?」


さっきって、どれの事?

もしかして、俺が黙ってた理由とか言わないよな?


内心動揺しながら見つめ返すと、


「私のこと、からかってたの?」

「は?」

「それで、私が1人で思い込んでる様子を見るのが楽しかった?」

「何でそうなるんだよ」

「だって……」


蘭は視線を落として、口籠った。