掴んでいた腕を引き寄せた蘭。
必然的にコートのポケットから俺の手が引き出された。
そして、自然と重なる指先。
寒くないと言ってた割にはキンキンに冷えている。
そんな指先に視線を落とすと、
「今日はママが仕事で遅くなるので、1人じゃちょっと寂しいんです。少しの間、話し相手になって下さいっ」
「……………え?」
いやいやいやいや、どう考えても無理だろ、それ。
母親が仕事で遅くなる?
まぁ、いつも夜遅くまで働いてるんだろうけど、今日は更にって事だよな?
しかも、1人じゃ寂しいから話し相手になれって?
おいおいおいおい、夜遅くに女の子1人の家にオオカミを呼び込んでどうすんだよ。
幾ら俺が必死に“兄貴心”で踏ん張った所で、所詮、兄貴も男だよ?
それ、解って言ってんのか?
「蘭、今の俺が女に見えるか?」
「へ?」
「………見えるか?」
「……ううん、見えない」
「だよな」
今の質問で気付けって!!
あまりお兄ちゃんを困らせるんじゃないよ?
俺は溜息を吐きながら髪を掻き乱すと、



