モテKingのターゲット



はぁ…と溜息を吐くリュウさん。


「どうかしました?」

「ちょっと大げさだけど、今日だけな?」

「へっ?」


大きめな絆創膏を首すじにペタッと貼った。


「家に帰ったら、これは取れよ?」

「別に気にしないのに……」

「ランちゃんが気にしなくても、周りはそうは思わないだろうから」

「噂なんて………」


“もっと酷い事を言われてるのに……”

そう言おうとしたけど、口を噤んだ。

だって、リュウさんは今の私しか知らないもの。


「ありがとうございました」

「どう致しまして」


再び髪を纏め上げようとすると、


「あっ、今日はもう上がりな」

「えっ?」

「薬品の匂いが付いてるから……」

「あっ………そうですね」


メイクも整髪料も香水だってNG。

だから、薬の匂いもNGなのは当たり前なのに……。

急に追い出されたみたいで切なくなる。


そんな私の心境に気付いたリュウさんは、


「明日、水泡が出来てなかったら出ておいで?でも、万が一、水泡が出来てたら……解ってると思うけど、店には入れられないからね?」

「………はい」

「んじゃあ、今日はこれで。お疲れ様」

「………お疲れ様でした」