モテKingのターゲット



揚げる個数は大してない。

全部で30個なんだけど、それでも1つ1つ丁寧に揚げるように指示が出された。


「かなり高温になってるからね?」

「はい」

「それと、油が跳ねる事もあるから、火傷しないように気を付けて」

「はい」


大きな番重に均等に並べられた、揚げる前のカレーパン。

綺麗にパン粉がまぶさっていて、手で触れるのが躊躇われる。


店長が見本で揚げてくれた。

白いパンが少しずつ色づいてゆく。


時折、優しくひっくり返して……。


「キレ~イっ!!」

「ハハッ、美味しそうに揚がっただろ?」

「はいっ!!」


白い湯気を立てたカレーパンが、バットの中で休憩し始めた。

こんがりと焼き色がついて、熱々の体。

まるで、私みたいだ。



「はい、じゃあ後はヨロシクね?」

「はい、頑張ります!」


私は緊張しながら、優しくパンを手に取って………。




6~7個ずつに分けて丁寧に揚げる。

漸く最後の組のパンを揚げていると………。


――――パチッ


「あっ……」