「そうですねぇ、お店で使う物を買いに出る事もあるし、ホステスさん達に頼まれた物を買いに出るのに車を出して貰う事もありますね」
「……そうなんだ」
「もしかして、さっきの女の子が……?」
俺の質問の意図を悟ったようで、蘭は苦笑した。
「……ん。まぁ、俺は気にしてねぇけど、また噂に脚色されんじゃねぇの?」
「フッ、………そうですか」
意外にも面白そうに笑う蘭。
そんな彼女の心境が俺にはよく解らない。
「それ、志垣さんに買って貰ったのか?」
「へっ?」
彼女が手にしているのはさっき見た、有名ブランドの化粧品店の紙袋。
単品で買っても結構な額になるのに、蘭の手にしている袋には幾つもの商品が入っているようだ。
「正確には、志垣さんも……ですが」
「も?」
「はい。明後日、母の誕生日なんです。それで、店の従業員で2000円ずつ出し合って、私がプレゼントを選ぶ事になっていて。それで、さっき志垣さんと選んでたんですが」
「あぁ、なるほどな」
「それが、何か?」
「いや、何でもない。気にするな」
俺は謎が解けてスッキリとした表情になった。
そんな俺の胸中を見透かしたのか……。



