「嵐…どうやったら目覚める?」


聞いても答えは返ってこない


眠り姫みたいに王子のキス?

王子じゃないけど…

嵐にキスをした


「…目覚める訳ないか」


切なくなって涙が零れた

嵐の頬に落ちていく


慌てて、涙を拭った


「嵐…誰よりも何よりも愛してるよ」


右手を握り締めて瞼にそっとキスをした


眠り続ける嵐を見つめながら
椅子に座り込んだ




その瞬間


指が…動いた?



「…あ…らし?聞こえる??」


手が握り返される



「……いって~
まじいてーな…」


「嵐~」


「…愛梨?」


「愛梨だよ!!
待ってすぐDr呼んでもらうから」


ナースコールを押して意識が戻った事を伝えた


ちょうどナース室に居たらしく
凌さんのお父さんがかけつけてくれた


看護師の人が状態を一緒にチェックしながら
凌さんのお父さん…院長は色々聞いてた


「出血が酷くて一時ショック状態になったんだ
でも、問題ないみたいだね」


「…はぁ」

まだ状況が飲み込めない嵐


「城田さんが病院に運ばれて今日で3日だよ」


「3日~?!」

嵐はいつになく動揺して驚いていた


「その間ずっと愛梨ちゃんが
付き添ってくれてたんだよ
良かったね、愛梨ちゃん」



「本当に…ありがとうございます」


涙を流しながら院長にお礼を言ったら
院長は優しく微笑んで看護師と部屋を出て行った