「…嵐の親は?」


凌さんに聞かれて明君は俯いた


「…すぐには行けれねーって」


蒼兄と凌さんは舌打をした



1分1秒が長く感じる

…早く嵐に会いたい



4人で廊下に突っ立ていると
ようやくランプが切れた



先に医者が出てきた


「嵐はどうなんですか?」

思わず駆け寄った


「親父、嵐はどうなんだ?」


…親父?

凌さんの言葉に驚いて振り返った


「傷は深いけど内臓にダメージはなかった
ただ出血が多すぎた
後は本人の気力だな
手術は成功した」


明君や蒼兄、凌さんはホッとしてたけど
私は全然安心出来なかった


「生きる気力が全て…」


小声で呟いた瞬間
嵐がストレッチャーで運ばれて来た


「嵐!!」


みんなで駆け寄るけど
嵐は色々な管や機械をつけられて
そのままICUに運ばれた


青白い顔

顔には痣が沢山あった


足元から崩れ落ちそうになった瞬間
蒼兄に支えられた


嵐は運ばれた時に既に意識がなくて
取り戻すかどうかは本人にかかっているらしい



ICUのガラス越しに見える嵐を見つめて
涙を流した